ひまブログ

アラフィフのおっさんです

『自立』〜その悪女に気をつけてください〜

お馴染みの『悪女』もの(笑)。

 

『悪女』とタイトルにあるものを読んでもどこが悪女なのかよく分からないものも多いのだが、時代背景があるのか…と最近になって気が付いた(鈍い)。

 

女性が男性の従属物のように思われていた時代。

その名残は現代にも確かにあるのだろうとは思うが、現代の女性は自分で生き方を選び自らの足でしっかりと立てる人が多いと思う。

そういう現代の自立した女性が、昔ながらの男尊女卑の時代に生きたら確かに目立ち過ぎるし『悪女』と呼ばれる事もあるのかも知れない。

 

主人公は公爵令嬢にして皇太子の婚約者でもあるメリッサ。

父親である公爵や弟との関係は良好とは言えず、皇太子は浮気三昧で、単に浮気するだけでなくわざわざその場面をメリッサを呼び付けて何度も見せ付けるという趣味の悪いクズ男。

その当時の貴族令嬢ならこの状況であれば泣き崩れて部屋に籠る、もしくは使用人に当たり散らす、くらいが関の山なのだろうが、メリッサは現代女性の転生者なので、まず皇太子と婚約破棄しようとする。

ここで分からないのが、皇位継承公爵家の後ろ盾がなくなる…事も当然困るのだろうが、皇太子は本気でメリッサと別れたくはないようなのだ。 

これは甘えなのだろうか?

どこまで許されるか?を試す子供のような心理なのだろうか?

浮気を見せつける=別れを希望しているとしか思えないのだが。

そしてそれは間違いなく1発アウトな行為だと思う。

 

あと、この作品で恐らく1番人気だろうと思われるウェアウルフのナイン。

青い毛の狼なのだが、心の底からメリッサを慕っているので無茶をしがちなメリッサが心配で堪らず半狼や人型の時は美しい顔に赤い瞳をうるうるとさせ、狼の姿の時は「きゅーん…」と鳴く。

作画の方もナインの青狼の姿は思い切り可愛く描いておられるので、日本のこのおじさんも我が家に居た犬の事を思い出して「ああ、可愛い」と思ってしまった。(流石に大人の男がうるうるしていても現実には可愛いとは思わないが、犬は可愛い)

写真の青髪の男性である。

 

本来の小説の筋であればメリッサの恋敵となるはずのユーリは昔ながら(?)の大人しく慎ましい貴族の女性なのだが、メリッサの自立した姿を見てそのように生きたい…という思いを募らせて行き、徐々に色んな事に逆らい始める。

女性は男のために存在するのではない…という事を世に証明すると『悪女』と呼ばれるなどバカバカしい…と思うのは自分が現代人だからなのだろう。

 

面白い話だったが最後は全てが中途半端だったのでそこは残念かな…と思っている。

 

#転生 #王侯貴族 #狼人間 #異世界 #魔法

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