ひまブログ

アラフィフのおっさんです

『頑固』〜余命わずかの脇役令嬢〜

日本の少女マンガを読んだことはない。

ので、これが韓国の少女マンガ特有のものなのかは分からないのだが、韓国の少女マンガの女性主人公はとにかく頑固だ。

こうと決めたらテコでも自らの考えを変えようとしないヒロインがやたらと多い。

初志貫徹は美徳ではあるが、融通が利かないという面もある。

男の目から見るとその融通の利かなさでザクザクと相手を傷付けてくれて、相手の男が気の毒で気の毒で…。

自分に大切なものがあるように、相手の男にも心があり気持ちがあり大切なものがあるという事を失念していると思わざるを得ない。

 

このマンガの主人公(カリナ)は毒親に育てられた伯爵令嬢。

不治の病に侵されており、毒親の家を捨てるために遠い北部に住む婚約者の元を訪ねるところから物語は始まる。

婚約者のミリアンは一見冷たく見えるが温かい心の持ち主で、身体の弱いカリナを気遣ううちに本物の愛情が芽生えていく。

カリナは家を捨てるために婚約者を利用しているので、自分は相手を好きになっても構わないが、相手が自分を好きになったら離れる時に相手を傷付ける…と思い込んでの言動をするので、すでにカリナを心から大切に想っているミリアンを傷付け倒す。

思い遣るのはそこじゃねえよ。とツッコミ入れまくりである。

 

いつまでもここにいてくれて良い、と話すミリアンに

「私の事を好きにならないで下さい」と言い放つカリナ。

愛された経験を持たないから。と言ってしまえばそれまでだが、思い遣りのない態度である事は間違いない。

何がなんでも自分の最初の目的を果たそうとする態度で、相手の気持ちを全く思い遣らないヒロインが本当に多い。

女性からすると拍手ものなのかも知れないが、男側からは割と悲しくなる。

別に紹介する予定の『この結婚はどうせうまくいかない』という話のように、婚約者の男がそこら中の女性と浮き名を流していたのならどれだけの事をされても致し方ないとは思うが、このミリアンのように武芸には長けるが本当の朴念仁で女性の扱いにも慣れないような男性だと気の毒で気の毒で仕方ない。

 

この物語はこのミリアンとの恋愛とカリナの高い芸術性から来る病と毒親との関係とが絡み合いながら進行する。

「自分は全ての子供を平等に愛している」と信じ込んでいる毒親は始末が悪い。

子供に絶縁されても分からないのだ。

ミリアンの言う

「子が生まれる事自体、親の欲望だからだ」

「だからこそ親には責任があるのだ。ただ食事を与え温かい寝床を準備するだけで、親の責任を果たした事にはならない」

は、至極当たり前の事。

この当たり前の事を出来ない人間は多いが、理解も出来ず、反省も出来ないのは始末が悪い。

カリナの親も今の所、カリナからの絶縁状にカリナを責める言葉しか発していない。

子供(カリナの兄弟姉妹)たちの方が危機感を覚えているようだ。

兄弟姉妹たちは親から差別されていても理解していないパターンは多いだろう。

一応はちゃんと部屋もあり食事も共にしていれば、気付きにくいと思う。

まして自分が優遇されている立場ならば余計に相手の事を慮るのは難しいはずだ。

子供なのだから。

 

このカリナの親、読んでいると本当に腹が立つが、この親にしてこの子あり。な部分が確かにカリナにもある。

この親にこんなに虐げられて育ったんだから仕方ないよね。というのが大半の意見かも知れないが、相手の気持ちなんか知ったこっちゃないカリナの行動は褒められたものではない。と思う。

 

#王侯貴族 #ピッコマ #韓国マンガ

 

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