ウェブコミックには『中華BL』というジャンルがあるらしい。
文字通り中国発のBLで何となくではあるが歴史物が多い気がする。
そして禁止されているのか?口付けの口元は隠されるようになっている。
それ以上のシーンがOKで口付けがダメ…という基準がよく分からない。
そんな中の1つがこちら。
主人公の成王(名前は景韶)は前世、自分の周りには目も心も向けずに戦に明け暮れ、結果的に継母とその息子たちの陰謀で若くして生命を落とす。
その最期に生命をかけて寄り添ってくれた正妻ではあるけれど男妻の暮含章(字名は君清)に
「もし生まれ変わる事が出来たら、お前を心から大切にする」「一生をかけて(今世での含章への行いを)償う」と誓う。
その願いが届き、成王は含章と婚姻した初夜の後に回帰させられる。
ただ、この初夜までの間に成王は含章に結構色々やらかしてしまっているので、含章の成王への感情はマイナスから始まる。
成王はこの時点で含章への信頼度はほぼマックスだが愛情はまだほとんどない。
含章は見た目はほっそりとして麗しい女顔の青年なのだが、中身は結構豪胆で気も強くナヨナヨしていない。
その上で健気で優しく周りを冷静に見て的確に判断の出来る聡明な人物である。
実際に学問の分野でも国でトップクラスの頭脳がある。
ずば抜けた身体能力の持ち主だが単純で浅慮な所謂[脳筋]の成王とはとても良いコンビと言えるだろう。
(成王の名誉のために申し添えると別にバカではない。ただただ真っ直ぐなだけの人)
最後まで自分に寄り添ってくれたから、という理由で大切にするつもりだった含章の[内面]も知って行くに連れて、本気で含章に心惹かれて「君清、君清」と追い掛ける成王が何とも可愛らしいのだ。
先ほども書いた通り含章の感情はマイナスから始まっているので、早い段階で含章を愛するようになった成王との気持ちの釣り合いが中々取れない。
含章の心も身体も全てを手に入れたい成王の奮闘ぶりがいじらしい…。
2人ともとても誠実な人間なので他の相手に目を向けるような事は一切なく、愛情が生まれる前からお互いを大切に思い遣っている。
(成王に至っては3人居た側室たちも追い出して奥を解体してしまう)
その姿がとても安心出来る。
好きな相手には誠意と思い遣りを持って接するべきだ。と改めて思う。
自分の気持ちを押し付けるのは愛情ではない。
相手を護り生きやすい環境にしようと考え手を尽くすのが愛情だろう。
この2人を見ているとそれを思い出す。
自分が事なかれ主義で揉め事が嫌いな人間なので、お互いを周囲の揉め事から遠ざけようと尽力するカップルというのは良いな…とつくづく思う。
成王の立場が立場なので周りのトラブルは避けられないのだが、信頼し合ってそれに立ち向かうというのは今の自分にはとても羨ましいのだ。
それにしても継皇后(成王の継母。皇后だった成王たちの母を毒殺してその座を手に入れた)と大夫人(含章の父の正妻)は自分と血が繋がらないのにデキる疎ましい息子たちを結び付ける事で、存在を貶めようとして逆に最強のコンビを生み出してしまったわけで、そこが最高にザマミロな展開だと言えるかも知れない。
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