ひまブログ

アラフィフのおっさんです

『憑依』〜KILL THE LIGHTS〜

本日ピッコマにて完結した作品。

本編は51話で完結。

外伝を含めても全69話と比較的短かった。

(韓国のウェブコミックの『外伝』のあり方がよく分からない…)

 

タイトルは直訳すると「ライトを殺せ」

本来の意味は「灯りを消せ」

ハリウッドが舞台の話なので、この場合のライトは寝室の灯りとハリウッドスターの浴びる華やかな照明のダブルの意味があるのではないか?と勝手に解釈している。

 

子供の頃に誘拐され、それがトラウマになっている美貌の実業家ノア・レイカールトン。

彼の誘拐事件を題材とした映画に主演した天才子役ヘイリー・ラスクはハリウッドの子役にありがちな、成長期を乗り切れずに酒とドラッグに溺れる昔の栄光に縋り付くだけの底辺の役者になっていた。

そのヘイリー、何を思ったのかノアに大勢の目の前でプロポーズをするが鼻であしらわれて大恥をかいた挙句、酒とドラッグのoverdoseで死亡する。

 

ノアは誘拐犯から助けてくれたメイソン・テイラー(見た感じ東洋系・武器の扱いにかなり長けているので傭兵?か?)を20年間心密かに慕い続けている。

そのメイソンは仲間に裏切られて後ろから撃たれ生命を落とし…たのだが、死ぬ前に怪しげな秘術?のようなものに手を出していたヘイリーの所為(だと思う)で、ヘイリーに憑依させられてしまう。

この辺りはヘイリーが具体的に何をしたのか最終話まで明らかにはされなかったが、オカルティズムな背景があるのは間違いないと思う。

 

メイソンの死でショックを受けるノアはあるドラマの撮影現場で、軽蔑し毛嫌いしていたヘイリーの中にメイソンの面影を感じ、少しずつ増える接触の中でその思いを深くして行き…最終的には確信を抱くに至る。

確信した後、メイソンに甘えるノアは大柄で筋肉質な立派な青年であるにも関わらず可愛いと思える面もある。

そう。

ノアは最初に会った時からずっとメイソンに甘えたくて甘えたくて仕方がなかったのだ。

甘えたいだけではない。

メイソンにただただ甘やかして欲しかったのだ。

欲しいものは何でも手に入る立場に居たノアが望んでもどうしても手に入らなかったメイソンに甘えて甘やかされたかった。

そして何がなんでも彼にとっての[特別]になりたかった。

たった一つの心からの願いが叶ったのだから、甘えてくっ付いて腕の中に閉じ込めたがるのも仕方がない。

この少年時代からの拗らせ気味の想いの深さは先日紹介した『オッサンの異世界はなぜかハードモード』の皇帝とオッサンの関係に似ている。

 

見た目は完璧。

その上、実業家で投資家で財力も影響力もあり、アメリカの名家のサラブレッドであるノアは実はかなり屈折した人物。

秘書のフィールですら「上流階級のチンピラ」と評する(笑)。(個人的にこの表現は当たっていないと思う)

ノアは表面的には神や天使のようなのに、実はヘイリーの死も平気で利用するしこの世から邪魔な人間を抹消するのに何の躊躇いも見せない(メイソンを撃ったアーロンとアシュリーを撃つ時も笑顔で引き鉄を引ける)冷徹な人間なのだが、メイソンに対する執着は途轍もなく、正直、メイソン以外の人間はどうでも良い。と思っている節もある。

朴念仁の上、唯一の家族の弟を殺されてからは気ままに独りで生きて来たメイソンにはノアの怒りの沸点がとても分かりにくいらしく付き合い始めてからかなり苦労している。

ノアはメイソンに対する執着は全く隠さないので、天使・神と称されていたノアの本性はだんだんと世間に周知されて行き…そこまでならホンモノだな。と、何か変に納得してしまった(笑)。

最後のシーンで、メイソンに頬を撫でられながら幸せそうに笑うノアはとても甘ったれた可愛い笑顔で、思わず「良かったな」と声をかけたくなった。

 

ノアから向けられるまっすぐな想いと執着に戸惑いつつも喜びを感じて行くメイソン。

実は彼も好みの基準がノア(金髪・緑の目)である事をかなり後になってから気付いている。

そんなメイソン(見た目はヘイリー・ラスク)はいつの間にか実力派俳優への道を歩き始め、最終話の少し前には助演男優賞を受賞するまでになっている。

結局、作品が始まった頃にメイソンを霊視?したヘイリーが

「あんたなら…俺の望みを叶えてくれる」と言った通りに、ヘイリーはメイソンが憑依した事によって切望していたスターの座もノアの愛も手に入れた事になる。

 

ノアとメイソンの2人が幸せになったように見えるラストだったが、全てを思い通りにしたのは実はヘイリーだったのかも。

ダメな人間ではあったけれど周りから思われているよりはお人好しで、幼少期から親戚に食い物にされ、生きたいように生きられていなかったヘイリーは身体だけではあるが生命を賭けた賭けに勝てたのかも知れない。

 

残念だったのは62話の拳銃はリボルバーではない…という事だろうか(笑)。

拳銃の事など全く知らない人なのだろうな…とちょっと笑ってしまった。

(自分も詳しくはないが、オートマとリボルバーの違いくらいは分かる。画像の銃はオートマ)

 

#ハリウッド #ピッコマ #オカルト

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