「死ね」
これだけで敵を殲滅出来る。
これ以上の最強がどこにあるというのか。
2024年2月現在、テレビアニメ放送中。
主人公の高遠夜霧は国で保護観察(管理)されていた最終兵器であり[神]に近い存在。
彼に殺意を向けた者は漏れなく彼から殺意を返され生命維持活動を停止され即死する。
苦しまずに一瞬で死ねるのだからある意味優しいかも知れない。
そんな彼が通っていた高校のバスに乗っていたクラスメイトごと異世界に召喚され「賢者候補」の試練に巻き込まれる所から話は始まる。
すでに他の能力を持っていた者たちには異世界の横暴な賢者たちから付与されるチート能力が付与できないため、落ちこぼれ扱いされて荒野に置き去りにされるのだが、夜霧には最初に書いた最強の特殊能力があるので、当然、余分なチート能力は授からない。
世の中に『厨二病』という言葉があるというのを知ったのはだいぶ前だが、ラノベにはその厨二病を彷彿とさせる(特に魔法の詠唱等)読んでいて恥ずかしくなるような設定が多い物もあるのだが、この即死チートは読んだ時に「思い切ったなぁ」と思った。
「死ね」なのだ。
ただこれだけ。
若い頃、仕事で無理難題を捩じ込んで駄々をこねる顧客等に当たると正直(こいつ死んでくれねえかな)と思った事もある。
ただ「死ね」とまでは思わない。
こちらに殺意までは向けられていない事は理解しているからだが、死んだ方が世の中のためになるんじゃないか?と思ってしまう相手は世間には確かに存在する。
それを実行に移すかどうかはきちんと育てられるかどうかによる、とは思う。
その限りではないという事ももちろん知っている。
人間でもネズミでも追い詰められたらどう行動するかは自分でも分からないものだから。
夜霧は高遠朝霞さんという女性に情緒を育てられ、手当たり次第に自分の能力を使う事が良くない事をきちんと理解している。
人間として正しく生きている。
「気に入らないって理由だけで殺すのはちょっと…」と話す彼は高校生なのに、就職していた若い頃の俺よりも大人だ(笑)。
自分たちの能力や立場を過信して悪用するこの物語の世界の賢者やその候補たちより余程人間である。
そういう連中ほど、自分より強い相手を必要以上に恐れ敵視するのだが。
まだ連載中であるこの作品がどこに帰結するのかは分からないが、人間として正しく生きようとする者を排除したり封印したりする終わりにならないで欲しいと願っている。
実はアニメは主要キャストに苦手な声優さんがいたので見ていない。
ヒルクライムさんのOPの歌はかっこいい。
#異世界 #賢者 #即死